【地球の周囲の場としての12星座】     トップに戻る

 ここ1,2年でいわゆる『13星座』に関する本が出版され,かなり話題にもなっています。これは占星学の原理と仕組みが分かっていれば, 何も取り上げる必要のないものなのですが,占いに興味を持つ人にとっては目新しく何か新しい意味があるのではないかと考えたのでしょう。

 西洋占星学の座標系のすべての原点は春分点(春分の日に太陽の来る位置)になっています。それを“牡羊座”の0度とし,そこから30度ずつ “牡牛座”,“双子座”,“蟹座”,・・・“魚座”と12の星座に分けています。(正式には実際の星座とは違う座標系なので“白羊宮”,“金牛宮”, “双児宮”・・・というような“黄道12宮”と呼ばれる。英語では“constellation”ではなく“sign”という。)ところが,地球の歳差運動(地軸の 1回2万5800年周期の首振り運動)により現在は実際の星座の位置は約1つ分手前にきているのです。つまり春分点は現在天空上の魚座と水瓶座の 境のあたりにあります。

 実は,西洋占星学が体系的に確立された紀元前2世紀の頃には,黄道上の実際の牡羊座の初めの方にあったのです。だから,現在の占星学で使われる 12星座(黄道12宮)は当時の実際にあった星座の名前を使っています。インド占星学は別にして,その後西洋占星学が春分点を“星座(宮:sign)” の基準に据えてきたのは,診断の合理性と手応えを重んじた結果と推測されます。

 そうすると春分点が占星学診断のための黄道上の基準になるのは,どういう理由でしょうか。実は,春分,夏至,秋分,冬至があるのは地球の地軸が 黄道面に垂直な軸に対して23度半傾いているからであることは皆さんご存じでしょう。ということは“星座”というのは太陽と地球の相対位置から 生じているということになります。占星学で使う“星座”に関しては太陽系の外にある恒星系は関係ないということなのです。(恒星系が地球に全然影響 しないと言っているわけではないので念のため。)

 では,占星学で使われる“星座”とは何でしょうか。私の考えは,太陽に対する地球の相対的位置の違いによる地球の“オーラ場”の局所的違いだと 考えています。+−交互のそれぞれ6星座があることから,1番基本となるのは地球周囲にできる周波数6の定常波が関与していると考えられます。 周波数3と4の定常波もあるでしょう。これは電磁波とか現在の物理的測定器で測れる種類の波ではありません。より科学的,具体的な説明については, 将来にまかせるしかないでしょう。

 以上のような12という数のもつ意味,それがこれまでの占星学の診断に齟齬をきたさなかったことを鑑みると,座標系の基本(ここが重要)として 13星座をもちだすのはちょっと無理があります。“お遊び”にはなりますが,商業主義的なにおいが強く,診断の基準として手応えがなければいずれ 消えていくでしょう。

 もちろん『ハーモニクス』理論において,小さい方から各整数値はそれぞれ意味をもち,13星座と内容は違いますが“ハーモニクス13”のチャートは 今後検討しなければいけない1つだと考えています。


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